女性化乳房
診断基準:乳輪下の組織が通常より大きくなり、盛り上がり(腫脹)や腫瘤(こぶ)を触れるもの。盛り上がりを感じる場合でも、内部の増大した組織が脂肪組織の場合もありますし、乳腺や類似の軟部組織が増大している場合もあります。
*当院では盛り上がり部分の内部の状態を、より正確に診断するためにMRIによる精密検査を推奨しております。
*男性の胸全体が脂肪で膨らんだだけの状態の場合は保険適応になりません(この場合、自費で脂肪吸引ができます)。
真正の女性化乳房の例。
手術方法
乳輪周辺より皮膚切開してアプローチ(局部麻酔下)。
乳輪下の乳腺組織を直視下に切除します。
乳輪の傷を縫合します。
治療費の目安
・両側で¥3万7千円程度(3割負担の場合)
(その他、術前検査費¥4~5千円程度、病理検査費¥3千円程度)
実際の症例
*乳輪下の腫瘤だけでなく、胸部全体に軟らかい脂肪が蓄積している症例(左:術前、右:術後)。
回復、合併症、後遺症(よくある質問)
Q
手術後すぐに仕事がに復帰できますか?
A
術後問題がなければ、翌日よりデスクワークなどの仕事は可能です。ただし、激しい肉体労働や運動は不可です。その後、7日程度で抜糸となります。手術部位は一度、瘢痕化に伴い硬くなり(1~6か月くらい)、その後、また徐々に軟らかくなります。
Q
乳輪直下のしこりを切除することは理解しましたが、周りの脂肪もとってもらえるのでしょうか?
A
乳輪直下のしこりの原因となる組織を切除した場合、周りの脂肪組織との間で段差ができることがあります。その場合は、周りの脂肪組織もある程度除去します。
Q
貴院では術前診断に際しMRIの画像診断を行うようですが、これは必須ですか?
A
当院では、正確な診断を期すため、外部の画像診断センターにてMRIを受けるようお願いしております。閉所恐怖症や身体に金属が入っている場合、MRIの代わりにCTスキャンを受けることも可能です。こうした画像診断は外部の放射線科の専門医によって、独立した立場で診断していただいております。
Q
どのような合併症が起こりえますか?
A
主な、起こりうる合併症としては、血腫(血がたまる)があります。そのため、手術後、ドレーンという内部にたまった血液を除去する装置を付けます。乳輪よりアプローチした場合は、その傷跡(脱色した線状)が見える場合があります。まれな合併症としては、乳輪、乳首の虚血、壊死がありますが、ほどんどの場合、後日回復することが多いです。
Q
術後、通院は必要ですか?
A
術後のケアーが必要ですので、術後1-2週間は必要に応じて通院できるようにしてください。
Q
すべての症状がこの治療で解決しますか?
A
症状によっては、乳房組織の除去だけでは改善されない場合があります。一例としては、高年齢の方で、皮膚のたるみを伴う場合、たるみ切除が別途必要な場合もあります。
Q
手術部位の傷について知りたいです。
A
術後の傷跡は小さなものですが、極端に気にされる方には、手術方法を選択する際に慎重さが求められます。
Q
将来の再発のリスクについて教えてください。
A
再発のリスクは非常に少ないのですが、乳腺組織の増大を促すような海外製のプロテインの摂取やホルモン剤の内服などで、再発することがあります。また、将来、肝機能が悪くなる人も、再発リスクが高まります。
その他のQ&A
その他のQ&Aに関してはよくある質問をご覧ください。
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